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超精密加工技術(加工・計測装置技術)

光学素子のナノメートルオーダー精度を実現

レンズやプリズムなどの光学素子は、設計技術の進歩とともに球面から非球面へ、軸対象から自由曲面へと進化を続けています。ナノメートルオーダー※4の精度を必要とする光学素子において、曲率変化※5の大きい自由曲面の加工にはキヤノン(株)で開発された加工・計測装置を当社で使用しております。

自由曲面加工装置は、高速で運動する刃先位置を高精度に制御するため、高剛性空気軸受けや高性能制御装置などキヤノン(株)で開発されています。また、光学素子に触針を接触させながら全面を超高精度で測定する自由曲面測定装置では、精度基準として、特殊な箱型構造の「メトロロジボックス」や、被測定物ワークガイドを挟む上下6枚のミラーを利用したレーザー干渉計を用いて触針の運動誤差を解消する制御方法などを採用し、ナノメートルオーダーの計測を実現しています。

自由曲面加工装置(A-Fomer)

自由曲面測定装置(A-Ruler)

大口径レンズ(プロジェクター用)

ダハプリズム(デジタルカメラ用)

トーリックレンズ(レーザープリンター、複合機用)

  • 4 ナノメートルオーダー
    ナノメートルの単位(nm)で表されるレベルのこと。1nm(=1/100万mm)~1000nm(=1/1000mm)。このようなナノの世界になると、ごくわずかな温度差や気圧差も精度に大きく影響する。そのため装置には精度基準を厳密に保ち、影響項目すべての誤差をキャンセルしていく機構上の工夫が随所に必要となる
  • 5 曲率変化
    曲率は線や面の曲がり具合を表す数字。自由曲面レンズは曲がり具合が一定でなく大きく変化するため、特殊な加工技術が必要になる。